準1級ライティング攻略法

目 次

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はじめに

準1級のライティングは、2級までとは求められる語彙レベルや表現が変わります。テクニカルタームを使いこなす必要があり、表現も多様なものが求められます。自分の引き出しから使うのではなく、意図的に使ったことがない表現や語彙を増やしていきましょう。また、社会問題の知識も「ある程度」必要です。ニュースなどを通して環境問題や社会問題などの知識を入れておきましょう。

要約問題は文中の語彙や表現を言い換える必要がでてきます。時間が制限される中で文の内容を即座に読み取る速読・読解力、語彙・表現力などごまかしの効かない英語力が問われます。このレベルまで来たら、テンプレで何とかしようという発想はもうやめましょう。その代わり当サイトでは言い換えの語彙や表現を順次ご紹介していきます。(別途記事掲載予定)

準1級の新形式ライティングとは

従来型の意見論述問題+要約問題の2問です。

意見論述(16点)

採点基準

内容・構成・語彙・文法それぞれ満点は4点、計16点。

内容:学生の方であれば背景知識がないものも多く、社会問題や環境問題などの頻出問題の背景知識は軽くいれておく必要があります。なので傾向を知ることは必要。とはいっても出る内容はほぼ決まっていますし、専門書の知識は必要ないので、過去問(面接問題も含む)を見ながら知識のないものはニュースやネットで情報を仕入れておきましょう。

構成:イントロ・理由2つ・結論まで。段落分けをします。また、メインボディ内での構成も意識しながら書きます。

語彙:アカデミックライティングにふさわしい語彙がこの級からは求められる印象です。B1レベル(2級長文レベル)の語彙表現を文脈の中で正しく使いこなせることが求められます。あまり簡単な語彙に頼らず言い換え表現も数多くつかえるようになる必要があります。

文法:関係代名詞非制限用法、分詞構文、比較級。このあたりを自然に正しく使えるように英作練習します。

要約問題

採点基準

内容・構成・語彙・文法それぞれ満点は4点、計16点。

内容:文中の要約に求められている内容が含まれているかどうかが一番大切です。ディスコースマーカーなどを目安に必要な内容を取りこぼしのないようにします。

構成:英文を読み直したときに原文を知らない人に伝わるかどうか。正しくかつ分かりやすい内容の要約文になっているかチェックしましょう。内容を書き出しただけでは不自然になっていることが多いです。

語彙:語彙や表現を言い換え自分の言葉で書くように明記されています。

文法:文法項目は言い換えるときに必要な文法表現を取り入れることが大切です。難しい文法項目を取り入れるより必要で適切な文法項目を使います。

目標所要時間

意見論述→20分

要約問題→20分

・・で書けたら理想。

意見論述対策

利用テキスト

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感想(12件)

かなり古いですが収録されている文章の中の表現、語彙を丸ごと使えるようにすれば満点をねらえる良書です。表現・語彙のレベル感が難しすぎず易しすぎず絶妙。このテキストを音読しシャドーイングし表現・語彙のレベル感を染み込ませましょう。

英検準1級ライティング大特訓

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感想(3件)

こちらはフォーマットや言い換え表現・語彙の紹介のパートがとにかく素晴らしい1冊です。ただモデルアンサーは難しすぎると感じています。私は1級ライティング対策で利用しましたがモデルアンサーで使われる語彙レベルはそれでも高いなと感じました。Chapter1-4がとにかく素晴らしい。こちらも本当にほしい情報が手に入る神教材です。

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感想(2件)

総合対策として使います。ライティング問題も要約問題を含め収録されています。

パターンを知る。

イントロ→理由1→理由2→結論

理由1・2の後に理由となるアイデアをまず書きます。その後アイデアをサポートする具体例や説明などが必要になります。例示は相当書ける自信がある場合をのぞいて、出来る限りいれたほうが高得点を狙えます。

書き方

メモをかく

練習では特に理由を2つ以上それぞれ簡単な具体例も含め日本語でいいので書きましょう。慣れないうちは、賛成・反対両方書きます。

練習では、出来るだけ多く箇条書きし、自分の言いやすい意見を英語に直す。という感覚を養うことが大切です。自分の意見ではなく必ず書きやすい方を選びましょう。

フォーマットに沿って書く

太字は定型で使えます。

例)

① Although some people may say that 自分とは違うアイデア, I agree(disagree)with the statement that トピック文. There are two reasons for this contention: ポイント1つ目そのまま and ポイント2つめそのまま.

First, (理由1つめ).

③Second, (理由2つめ).

④ For these reasons above, I believe(自分の意見の繰り返し)

①イントロ→②理由1つ目+具体例・説明→③理由2つ目+具体例・説明→④結論

①イントロ

ほぼ定型で乗り切ります。要約もありますので、時間をかけすぎないようにしましょう。I think, I do not think,の後にトピック文を入れるだけでは物足りません。ここからはある程度イントロを自分なりにパターン化します。例で書いたイントロは私が1級で構成点で満点をとったときに利用したものです。 (すったけ先生の神本「英語はIで始めるな」のイントロ例をほぼ引用)もちろん準1級でも十分使えます。

②③main body

二つ理由を書きます。具体例や説明から入らないようにくれぐれも気を付けてください。キーセンテンス→サポートアイデアの順です。

Main bodyの各パラグラフも3センテンスは必要になります。ここでも構成を意識しながら書いてくださいね。

キーセンテンス→例→まとめまたは説明

です。

④conclusion

こちらは時間短縮のためにもとことん簡潔で大丈夫です。I think をイントロで使った場合 I believeにしてトピックを写すなどでOKです。軽く自分の意見を要約してもいいですが、実際すると難しく下手すれば文法で減点をとられかねません。時間短縮のためにも自信がなければ定型でのりきりましょう。

表現・語彙・文法

ここでは使える語彙・表現・文法項目を紹介します。(別記事で随時追加予定)

‥の前に、英検用の語彙表現の学び方

専門用語(テクニカルターム)は必須です

ジャパンタイムズの完全制覇シリーズの各トピックの自分の意見(イエス・ノーどちらか)内容を何度も音読そして書写しましょう。自分では書けない(思いつかない)表現や語彙をピックアップしてまとめていきます。面接でも使えますし、不自然でない表現を身につけることはライティングパートだけではなく要約問題でも活かせます。また、耳からも聞いて文を組み立てるリズムを染み込ませます。2級までとはレベル感が変わるので何度も何度も音読(シャドーイング・オーバーラッピング含む)し、実際に手を動かして書き、耳で身体に覚えこませます。要約問題の採点がシビアなので、意見論述は出来る限り高得点を狙いましょう。

イントロ

First, Second, First of all, Firstly, Secondly, to begin with, In addition to that,

理由

For example, For instance,

「例えば」も言い換えましょう。

・When, if

「例えば」ばかり使っていませんか?これらの表現を使って例示することでより表現が広がります。

Can をこれらの言葉に言い換えられるように練習してください。

allow A to do Aに〜することを許す、可能にする

enable A to do「できるようにする」という意味で、テクニカルな場面で使われることが多いです。

make it possible to 「可能にする」という意味で、物事を可能にする条件を強調したいときに使われます。

ニュアンスが少し変わりますが

help A (to)doも使えると便利な表現です。

Lead to 名詞 ーということになる。To は前置詞なので後ろは必ず名詞を使います。

ものすごく使えるので使いすぎてしまう・・という弊害があります。以下言い換えも覚えておきましょう。

  • Result in – 結果として~になる
  • Cause – 引き起こす
  • Bring about – もたらす
  • Contribute to – ~の一因となる(toの後は名詞)

から、派生してこちらも大事。

  • Generate – 生み出す
  • Produce – 生み出す、引き起こす
  • Would/could/likely to do

学校であまり重視されない助動詞。ものすごくよく使われるのに使いこなしにくいですよね。これらの言葉をとりいれられるようになると円滑な会話にも役立ちます。ぜひ書けるようにするところから始めてみてください。このあたりの表現はジャパンタイズがおすすめです。モデルアンサーで多用されており音読することで自分の言葉として使えるようになります。会話でもとても役立ちますよ。

文法項目

関係代名詞非制限用法

前の文全体を受けることができる「, which」です。andで2文に分けてばかりということにならないよう、是非使ってください。

分詞構文

難しいと思われがちな分詞構文ですが、使えるようになると並行して物事が進むときなどとても便利な表現です。是非とりいれてくださいね。

現在完了形

2級で使いましょうと書かれているテキストをよく見かけますが、私の経験上、適切に現在完了形を使える受験生は2級ではほぼいませんし、2級レベルのライティングで合格に必要とも言えません。準1からは現在完了形は使うべき場面が多いので積極的に活用しましょう。

④結論

Therefore, For these reasons above, In conclusion,

の後にイントロの自分の意見を繰り返しましょう。I think と書いたならI believeに変えるなど少しだけアレンジすればOKです。

要約問題対策

  • とにかく要約するべき内容をとりこぼさない。
  • 言い換え

この2点を抑えることを目標にします。

採点基準が未知なわりに非常に厳しい採点をされます。新形式(2級以上)からはライティング=甘いの概念が覆されております。ただし、要約するべき内容を見逃していなければ致命的な減点につながらないはずです。

準1は自分の言葉で書くよう明記されていますので語彙・表現は出来る限り言い換えましょう。言い換えが思いつかない語彙表現をピックアップし、自分専用言い換えリストを作成することをおすすめします。

利用テキスト

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感想(1件)

2級から1級までずっと使うことができる要約問題集。レベルはやや難しめですがそれだけにいいトレーニングになります。採点基準も厳しめですが、本番もかなり厳しいのでこの採点基準に慣れておきましょう。(英検の採点基準と同じではありません)苦手な場合何周もしましょう。

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感想(2件)

※過去問は6回分意見論述の問題がみれますが、こちらは要約問題が載っています。問題も素晴らしいです。

パターンを知る

①イントロ→②利点(賛成意見・ポジティブ)→③欠点(反対意見・ネガティブ)

②③は入れ替わる可能性あり

・要約文は60-70文字です。

論理マーカーの後、具体例の前は要約内容にとりこむ

・代名詞やディスコースマーカーを使い、要約だけ読んで本文内容を理解できるような内容に仕上げる。

・その他 語彙がわからなければ前後の文脈から想像できるところは想像する。

英検の長文問題と同じくイントロから始まりポジティブ→ネガティブ(または逆)という流れです。それぞれに複数の理由が用意されていることが多いです。ディスコースマーカーや具体例を頼りに要約するべき内容を探します。

学習法

要約に慣れるために

日本語で要約練習→英語で要約

要約問題になれていなければ数問日本語訳を見て要約する練習から始めます。2級の問題から初めても大丈夫ですが、その場合も要約箇所の言い換えを重点的に意識してください。2級と準1級では難易度や傾向が変わるので注意が必要です。要約は、傾向を知ることと読解力(要約すべき内容を探す能力)が必要です。準1級の要約に慣れるため問題集を何度も繰り返すのはかなり効果的です。

例題

簡単な英文要約から始めましょう。以下は、chat GPTをつかって本番レベルより少し易しめに作成したものです。こちらを使ってみますね。

The use of digital devices, such as tablets and laptops, in classrooms has sparked considerable debate. As technology becomes increasingly essential in our daily lives, many schools have integrated these devices into their teaching environments.

There are several arguments in favor of allowing digital devices in classrooms. First, digital tools can improve students’ engagement with learning materials, as they make lessons more interactive and visually stimulating. For instance, teachers can use online quizzes or multimedia presentations to keep students involved. Additionally, devices provide easy access to a vast amount of information that goes beyond traditional textbooks, helping students explore topics in depth and develop research skills. As a result, students may be better prepared for a digital world where information literacy is highly valued.

On the other hand, there are valid concerns about the potential drawbacks of digital devices in classrooms. Some critics argue that these devices can be a major source of distraction, with students using them for non-educational activities like social media or gaming. This can lead to reduced focus and productivity, ultimately affecting students’ academic performance. For this reason, it is essential for educators to find a balanced approach, allowing students to benefit from digital tools while minimizing the risks of distraction.

訳)タブレットやノートパソコンなどのデジタル機器を教室で使用することは、かなりの議論を巻き起こしている。テクノロジーが日常生活にますます不可欠になるにつれ、多くの学校がこれらの機器を教育環境に取り入れている。

教室でのデジタル機器の使用を認めることには、いくつかの賛成論がある。第一に、デジタル機器は、授業をより双方向的で視覚的に刺激的なものにするため、生徒の学習教材への取り組みを向上させることができる。例えば、教師はオンライン・クイズやマルチメディア・プレゼンテーションを使って、生徒の興味を持続させることができる。さらに、デバイスを使えば、従来の教科書を超える膨大な情報に簡単にアクセスできるため、生徒がトピックを深く探求し、研究スキルを身につけるのに役立つ。その結果、生徒たちは、情報リテラシーが高く評価されるデジタル社会に対応できるようになるかもしれない。

一方、教室でのデジタル機器の潜在的な欠点については、正当な懸念もある。批評家の中には、生徒がソーシャルメディアやゲームといった教育以外の活動にデジタル機器を使用することで、これらの機器が注意散漫の主な原因となる可能性があると主張する人もいる。その結果、集中力や生産性が低下し、最終的に生徒の学業成績に影響を及ぼす可能性がある。このため、教育者はバランスの取れたアプローチを見つけ、生徒がデジタルツールの恩恵を受けられるようにする一方で、注意散漫のリスクを最小限に抑えることが不可欠である。

①イントロ

The use of digital devices in the classroom is becoming more common, leading to discussion about their educational role. (18words)

訳)教室でのデジタル機器の使用は一般的になりつつあり、その教育的役割について議論が起きている。

イントロ部分は情報が限られていることが多いのでその時にはシンプルにまとめます。

要点

デジタル機器の普及・教育的役割にたいする議論

・言い換え

 becoming more common/discussion

②メリット

Supporters argue that digital tools make lessons interactive, increase student involvement, and give them broad access to information, helping them adapt to the information society.

(25words)

訳)支持者たちは、デジタルツールは授業をインタラクティブにし、生徒の参加を増やし、情報社会への適応を助ける情報への幅広いアクセスを与える、と主張する。

デジタルツールを使うことによるメリットが列挙されています。First, Additionallyの後、具体例の前は要約内容に組み込みます。賛成論→賛成者の意見と言い換えています。

要約内容

  • 授業を双方性のあるもの(interactive)にする。
  • 生徒たちの授業参加を増やす
  • 幅広い情報へアクセルできるようになる
  • 情報化社会に対応できるようになる

言い換え

 Supporters argue/make lessons/involvement/broad access to information/adapt to

③デメリット

However, opponents warn that the devices can easily distract students, leading to poor concentration and academic performance. Instructors need a balanced approach to take advantage of the benefits of digital devices.

(31words)

訳)しかし、批評家たちは、デジタル機器は生徒の注意をそらしやすく、集中力や学業成績の低下につながると警告している。指導者は、デジタル機器の利点を生かすために、バランスの取れたアプローチが必要である。

デメリットです。ディスコースマーカーを使って話の流れの転換を示しましょう。要点は一つですがその結果どうなるか、指導者の対応についてなど文字数との兼ね合いをみながらとりいれていきます。Such asなどで例示がある場合その前はなるべく取り入れます。

要約内容

  • 注意力が散漫になる
  • 集中力や学力がおちる
  • 指導者はメリットを活かしたアプローチが必要

言い換え

However, opponents, poor concentration, take advantage of

Sample Answer

  The use of digital devices in the classroom is becoming more common, leading to discussion about their educational role.  

  Supporters argue that digital tools make lessons interactive, increase student involvement, and give them broad access to information, helping them adapt to the information society.

  However, opponents warn that the devices can easily distract students, leading to poor concentration and academic performance. Instructors need a balanced approach to take advantage of the benefits of digital devices.

語彙 words

上記でも使っていますが、要約でよく使う語彙の言い換えです。

支持者

  • Supporter
  • Advocate
  • Proponent

反対者

  • Critics
  • Opponents
  • Detractors

利点

  • Advantage
  • Benefit
  • Strength
  • Positive aspect

欠点

  •  Disadvantage
  •  Drawback
  •  Downside
  •  Weakness
  • Negative aspect
  • Shortcoming

しかし

  •  however
  • Nevertheless
  • On the other hand

その上

  • In addition, Additionally
  • Furthermore
  • Moreover
  • Also

その結果

  •  Consequently
  • Therefore
  • Thus
  • For this reason
  • As a result
  • Due to this

まとめ

いかがだったでしょうか。

よほど得意でない限り、ライティングはしっかりとした対策が必要です。

意見論述の採点が甘いといわれていますが、準1以降はそんなことはないと言えます。確かにスペルや文法ミスはそこまで厳しくないですが、内容に関してしっかり書けていなければ帰国子女でも不合格になる例を何度もみています。

準1級のライティングは表現や語彙の習得が得点に直結します。環境・経済・犯罪・政治に関する語彙をどんどん取り入れ使えるレベルまでもっていきましょう。文で覚える単熟語に使われている語彙も(赤文字に限らず)ライティングに使えるものが多いです。なにしろ英検に出てくるトピックと傾向が似ているので、使える表現をセンテンス毎ピックアップして使えるようにしてください。これは、今後の英語学習の礎になります。要約問題は本当に採点が厳しいので、足をひっぱらないレベルに仕上げることを目標に問題集を何度も周回して、要約箇所を見つける感覚を身につけてくださいね

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