文単活用法

指導している中で、そして自分自身がこのテキストを使いきることで、1級合格までたどり着いた経験を通して、文単が、英検合格にも英語習得にも最高の教材の1つであることを痛感しました。このサイトではなにかというと文単が出てきますもはや、文単を使って学習するためのサイトと言っても過言ではないかもしれません長文読解、リスニング、ライティングトピックの背景知識学習など多岐にわたり使える神テキストです!が、きちんと使わなければ宝の持ち腐れ。こちらでは文単の使い方をとにかく徹底的に解説します。

はじめに

大前提として文法項目が読めば理解できる(理解済みというわけではない)方対象です。意味だけをとって、大量インプットするのは小学校高学年からは可能でしょう。ただし当サイトではこの方法をお勧めするのは3級と準2級までです。そして、始めたらだらだら時間をかけず数か月集中的に取り組みましょう。短期間に大量の英語をインプットすることがポイントです。

どうしても2級以上が必須な中学校受験が目的であれば、今までの経験上、英検対策として早い段階で小学生対象の英検塾などで得意パートを伸ばしてもらうのがベターです(幼児期の英語教育は英検受験目的であっても当サイトとは別ジャンルです。プロとして指導されている方のサイトをご参照くださいね。)個人的にはそれ以外は、文法が理解できる年齢になってからの受験のほうが効率的で変な読み癖がつかないのでおすすめです。

文単とは

旺文社が出版している文単こと「文で覚える単熟語」

英検受験者であれば耳にすることの多い超有名テキストです。過去問やリスニング問題を再編されており、文を読みながら単語を覚えるというコンセプトで作られた持ち運びにも便利なコンパクトサイズ。ですが、効果的に使われている学習者の方はごく一部な印象です。

3級から準1級まで効果的に文単で学習する方法をご紹介します。

当サイトが文単を激推しする理由

1次の全パート対策が出来る

3級・準2級のライティング以外の1次対策はほぼこの1冊でOKです。(きちんと使える前提で)2級・準1級・1級も文単をメインに学習をすすめることで効率的に合格をひきよせることができます。

長文対策→単語はもちろんのこと、英検の傾向がしっかり染み込み話の展開を予想しやすくなります。また、速読の練習としても最適です。

リスニング対策として→音声を使うことで実際に出題されるより少し難易度の高い英語に何度も触れ本番余裕を持って聞けるようになります。

ライティング対策として→トピックの理由のヒントを身に着けることができます。また、テクニカルタームが身に付きます。ライティングトピックでは2級以降特に普段なじみのない内容も多く出会うことになります。文単はそういった内容も網羅していますので、トピックの理由を素早く考えられる知識が身に付きます。また、犯罪や社会問題などでよく使われる単語に触れることにより、専門用語が正しい文脈で使えるようになります。

良質な大量の英文に触れることが出来る

多読多聴という言葉を聞かれたことがあるかと思います。

でも実は難しく、レベルに合わない素材をむやみやたらと触れても効率的ではなく嫌になってしまうことも多いです。

文単のいいところはレベルに沿っていること、全てに訳が載っていること、1冊を通して英検という同一コンセプトの下作成された文章に触れることができるところです。何より内容が面白い。しかも、音声までついています。

文単はカテゴリー別になっています。そしてそれぞれの文の構成はよく似た展開になっているので自然と次の展開を想像できる読み方が身に付くようになります。

要するに多読多聴の第一歩としては最適です。

ルーティン化に最適である

文単こと文で覚える単熟語は英検学習だけではなく、英語力の底上げに役立つ素晴らしいテキストです。英語は筋トレと同じです。ここでは、文単を使って英語のトレーニングをする方法をご紹介しています。英語力を底上げするために毎日無になって、ひたすら繰り返して英語を鍛えましょう!実は一番シンプルで学習者を選ばない負担の少ない方法です。

でも実際にどう取り入れていいか分からなかったり、効果があるのか分からず取り組む気にならないという事が多いように感じます。文単を使って一冊まずはルーティン化してみましょう。コンパクトなサイズで一冊だけという手軽さも素材として最適です。

このサイトでは推奨モデル例として細かなスケジュールを掲載していきます。文単は何十回も音読したりリスニングしたりすることで英語力を伸ばせますのでまずは始めてみてくださいね。

リスニング対策になる

隙間時間は、ひたすら音読した音声を聞く癖をつけます。可能であればオーバーラッピングやシャドウイング、リピーティングなどしながら聞きましょう(詳細はリスニング学習法へ)。何十回も声にだして読んだ英文を何度も聞きかえすうちにリスニングパート合格だけではなく、他の素材でも英語が聞こえるようになります。回数は多ければ多いほどベターです。

文単の使い方

精読→音読・リスニングをできるだけ毎日→音声速度で文が理解できるようになれば終了

Step1 精読

1単語確認

分からない全ての単語の下に意味を書き込みます。

赤線部分もちらちら横を見ながら読むと時間がかかるので書き込みます。

赤線部分以外も書き込んでください。とにかく分からない単語全部!

2 主語と動詞をとる

本当は文型をとったらベターですが、そんなことをしていたらいつまでたっても終わらないのでまずは主語と動詞をとります。

主語と動詞が分からない場合は日本語訳を読みましょう。「○○は、○○が」の部分が主語です。述語動詞は「○○だ。○○する」の部分です。

え。分かりませんか?

最終手段は、AIに、例えばChatGPTに【この文の主語と動詞を教えてください】と聞いてみましょう。実はごくごくまれにAIも間違えるんですが、準1級レベルまでならまず大丈夫です。これを繰り返すとあ。これが主語なのか・・と直観的に見つけることができるようになります。

しんどいですよね。心おれそうです。でもこの作業が本当に大切です。

慣れればそんなに難しい構文は(1級でさえ)ないので構文をとることがスピーディーになっていきます。しかも、頭を使うのはここだけ。後は理解した内容を繰り返すのみです。

正誤については、英語の先生が身近にいらっしゃればどんどん聞きましょう。

※主語・動詞がとれない小学生などの皆さんは意味だけとりあえずとってひたすら読みましょう。ただしそれも準2級までです。文法が理解できない段階で2級以上の受験加点を狙うのであればほかの教科に取り組んだほうが時間帯効果は高いと感じています。※幼少期から海外やインターで大量に英語に触れているパターンを除く

3 意味を理解する

出来る限りしっかりと意味を理解しましょう。この時点では何度返り読みをしてもOKです。とにかく和訳を読みながらしっかりと意味を理解します。準2級までは文法が理解できなければこの和訳はこういう英訳になるんだな。というレベルでも大丈夫です。

Step2 音声確認

その名の通り意味をとった英文の音を確認します。特に初めての単語などしっかり確認しましょう。

Step3 音読・リスニングを出来るだけ毎日

前準備が本当に大変でしたね。おつかれさまでした。

ここまでできたらもうあとは音読とリスニングをルーティーン化するだけです。

ゴールは音声のスピードで前から英文が理解できるようになることです。

文単音読・リスニングモデル学習パターン

1日目

精読した文をまた、音声確認→10回以上音読

ここからは、極力返り読みはしないようにしましょう。

英文の意味をとりながら自分の可能なスピードで読みはじめます。途中であれ?この意味わからないと思ったら、しっかり精読をしなおします。

とにかくゆーーーーーーっくりでも止まりながらでもいいのでしっかり返り読みせず理解できる速度で音読します。

少なくとも最初に音読を始めるトピックについては1日目は10回-15回はしたいところです。

この15回はリスニング対策も含みます。15回も読むと飽きてくるので音声を流してオーバーラッピングやシャドーイングもとりいれます。出来るまでやりこむといつの間にか20回読んでたということも。ここまで繰り返すと、理解度がぐっと深まることを確認できるかと思います。

ただし疲れて頭がぼんやりしそうになったら即やめてください。思い切って一旦休憩するのも継続するための秘訣です。

読んだ回数を必ず「正」などで記録します。単なるカウントではなく、大きなモチベーションになります。

2日目

新規ページを音声確認&音読10回以上(1日目参照

前日のページを5回程度音読(復習・必ず音声も聞く)

3日目

新規ページを音声確認&音読10回以上(1日目参照)

前2日分のページを5回音読

※1日目のページを音声の速さで返り読みせず理解できるようになっていたらこの日で終了。無理ならば翌日もする。

4日目

新規ページを音声確認&音読10回以上(1日目参照)

前2日分のページを5回音読

最低3日は同一ページを音読する。準1に関してはおそらく3日では理解できるまで到達できないかと思いますのでご自身の理解度に併せて読む日数を増やしてください。

復習ページがたまると読む量が増えてとても大変ですので、復習日数を3日分と決めて理解の曖昧なページは隙間時間に戻って理解できるまで反復するというのも一つの方法です。(上限1文50回程度目安)

級別使い方

3級・準2級

3級と準2級での最大の目的は大量に英文に触れること。深い英語学習の習慣を身に着けること。基本的な単語の使い方・表現を覚えることです。文法的なことは分からなくても読めるレベルですが、主語と述語動詞はとるようにしましょう。

  1. 文単の意味をとる

訳をしっかり書き込みましょう。

出来れば主語と述語にS・Vと書き込みます。

  • 音声を確認する

単語と音声が一致しない事が多く発音記号にもなれていない方多い級です。音声を確認し、可能であれば発音記号を見てどの記号がどの発音になるのか少しずつ覚えていきましょう。音声が速く感じたらはじめは0.7倍速あたりから始めてください。

3音読開始

音声確認→音読をつかえず読むことができるまで繰り返してください。少しでも音が曖昧なところがあれば音声は必ず聞きます。

まずは10回~始めましょう。比較的短いのでそんなに時間はかからないはずです。

単語の意味は、毎回軽く目を通して確認してから音読します。返り読みしないようにゆっくり、またはとまりながらでもいいので理解できる単位・速さで読んでいきます。復習は必ずしましょう。人は忘れる生き物です。

あ。大切なことを忘れていました。

読んだ回数を必ず「正」などで記録してくださいね。単なるカウントではなく、大きなモチベーションになります。

4音声の速さで音読ができ、意味がとれたら終了

約25回程度、苦手ならもう少しかかるかもしれません。

こつこつ少しずつ理解を深めてください。

一気にまとめて音読して1日で仕上げようとしないことが続ける秘訣です。30分疲れきった頭でインプットするよりクリアな頭で15分するほうが効率ははるかに良いです。

2級

そんなに長文ではないですが、内容がレベルアップします。主語・動詞をとるだけでは理解しにくくなるかもしれません。この級からは入門レベルの文法書を用意しましょう(おすすめ参考書はこちら)

1 文単の意味・構文をとる

訳をしっかり書き込みましょう。

主語と述語にS・Vを書き込みます。複雑な文章は5文型に当てはめて構文をしっかりとります。わからなければchatGPTに聞きましょう。主語と動詞だけを聞くのではなく全ての構文を聞きます。「この文の構文を教えて」といえばOKです。分からない文法項目があれば、そこを文法書やネットで調べましょう。

 音声を確認する

音声を確認してから必ず音読をしていきましょう。始めは音声が速く感じるので、0.7倍速あたりから始めて徐々にすピートアップしてください。

3 音読開始

音声確認→音読をつかえず読むことができるまで繰り返してください。少しでも音が曖昧なところがあれば音声は必ず聞きます。

まずは10回~始めましょう。比較的短いのでそんなに時間はかからないはずです。

単語の意味は、毎回軽く目を通して確認してから音読します。

返り読みしないようにゆっくり、またはとまりながらでもいいので理解できる単位・速さで読んでいきます。

シャドーイングやオーバーラッピングなどアウトプットも2級からは是非取り入れてください。得意な方法でいいので音声を聞いて自分の声でアウトプットする作業をしていきます。

復習は必ずしましょう。人は忘れる生き物です。(再)

4音声の速さで音読ができ、意味がとれたら終了

約30回程度、苦手ならもう少しかかるかもしれません。

こつこつ少しずつ理解を深めてください。

一気にまとめて音読して1日で仕上げようとしないことが続ける秘訣です。30分疲れきった頭でインプットするよりクリアな頭で15分するほうが効率ははるかに良いです。

読んだ回数を必ず「正」などで記録してくださいね。単なるカウントではなく、大きなモチベーションになります。

準1級

長文の長さが2級までの約2倍になる上、構文も複雑になります。必ず文法は一通り理解してから取り掛かりましょう。(おすすめ参考書はこちら)これぐらいの長さになると一気に音読すると喉がかれます。1ページを半分ずつに分けて時間をあけて取り組むなど疲れすぎない工夫が必要です。2級までとは所要時間、難易度全てにおいてレベルが変わります。

文単の意味をとる

訳をしっかり書き込みましょう。

主語と述語だけではなく長かったり複雑な文は5文型を書き込むことも必要です。焦らず丁寧に精読します。100%理解できるまでしっかり読み込みましょう。どうしても分からないときは構文をchatGPTに聞きます。「この文の構文を教えて」といえばOKです。分からない文法項目があれば、文法書やネットでしっかり調べましょう。とても時間がかかりますが焦らないことです。1冊分この作業をすると、明らかに英文の理解度が変わります。

音声を確認する

音声を確認し、可能であれば発音記号を見てどの記号がどの発音になるのか少しずつ覚えていきましょう。音声が速く感じたらはじめは0.7倍速あたりから始めてください。そして完全に理解できるようになれば1.2倍、1.5倍などさらに速めていきます。高地トレーニングをすることでpart2が聞きやすくなるでしょう。

3音読開始

音声確認→音読をつかえず読むことができるまで繰り返してください。少しでも音が曖昧なところがあれば音声は必ず聞きます。

まずは10回~始めましょう。1ページを半分に分けても大丈夫ですがその場合時間はかなりかかります。複雑に感じる文章も繰り返し読むうちに理解度がぐっと深まるはずです。逆にそうでなければ精読をもう一度しましょう。ここをしっかりしていないとただの読み上げになってしまいます。

単語の意味は、毎回軽く目を通して確認してから音読します。返り読みしないようにゆっくり、または止まりながらでもいいので理解できる単位・速さで読んでいきます。

復習は必ずしましょう。人は忘れる生き物です。

読んだ回数を必ず「正」などで記録してくださいね。単なるカウントではなく、大きなモチベーションになります。

4音声の速さで音読ができ、意味がとれたら終了

約30回目安でこつこつ少しずつ理解を深めてください。

一気にまとめて音読して1日で仕上げようとしないことが続ける秘訣です。とにかく1ページを一気に30回読むとただの読み上げになってしまう上、続けるのが嫌になります。疲れてきたら一旦休憩をいれましょう。

1時間疲れきった頭でインプットするよりクリアな頭で15分するほうが効率ははるかに良いです。

まとめ

いかがだったでしょうか。

こんな大変なことできないよと思われたかもしれません。実際大変です。筋トレならぬ英語トレーニングですから。指導している中でもきちんとこの通り学習してくれる生徒は1割程度でしょうか。色々な参考書に手を出したりさらっと一周して終わったり、一番多いのは全く手を付けないパターンです。

だからこそ、英語力に大きな差がでます。

残り9割の英検はなんとか合格したけれど(そしてそこそこ時間もかけたけど)英語がなぜか使えない学習者になるか、学習期間を地道に音読を繰り返して使える英語を身につけるのか。級が上がれば上がるほどその差は歴然になります。

文単を使って学習していると、次のレベルの級のテキストを開いたときにある程度よめる状態になっています。該当級を学習しながら次の級の準備をしているからです。

なので実は遠回りのようで近道だったりそします。そのうえ受験生は大学受験に活かせる英語力も身につけることができますよ。

まずは1週間頑張ってみてくださいね。